第3章 疲労熱注意報(空閑遊真)
「名前さんただいま。何か食べれる?」
3人の気配が近付いていたので、あたしは重い瞼を空けた。
「名前さん、具合どうですか?」
「一応、アイスとかは買ってきました。お粥も、空閑が作ったので、食べれそうでしたら食べてください」
「空閑、おかえり……千佳ちゃんもオサムも、迷惑かけたな」
寝たまま話したくなかったので、とりあえずあたしは体を起こした。
「いえ、僕たちはただ……」
「俺がオサムたちを呼んだんだし、もし俺が呼ばなくても、オサムは自らお見舞いに行こうとか言いそうだから、気にしなくていいよ」
「空閑、それは褒めてるのか?……」
隣で千佳ちゃんがクスクスと笑う。あたしもつられて少し笑い、空閑がレクチャーしてもらってまで作ったお粥を食べる事にした。
「どうだった?体調悪いから、量は少なめにしたけど」
「美味かった。梅干しというチョイスがいい」
「そう、良かった」
初めてお粥を作ったからか、口に合うか気にしていたらしい。
感想を述べると、空閑は安心したようだった。
だが、あたしの体調はまだ回復に至っていないようで。
「わりぃ、まだきちーからそのまま寝るわ……」
「分かった。じゃあ、俺は薬を用意するな」
千佳ちゃんが台所の片付けに向かい、オサムは千佳ちゃんを手伝いに行ったので、必然と空閑と2人(レプリカもいるが)になってしまった。