第2章 風間蒼也という人は(風間蒼也)
例2。
大規模侵攻の後の話だ。
大規模侵攻の間、あたしは相変わらず三門市以外の近界民の対応をしていた。
だって、普通に考えたらそうだろう?
ボーダーの正隊員は、みんな三門市を守っている。
という事は、三門市以外はいつも以上に手薄状態。トリオン兵1体だけでも、かなりの戦果を挙げれるだろう。
だから、あたしはいつも通り三門市以外を守った。それに、ストーリーの妨げはしちゃいけないしな。
初めは、忍田さんとかが論功行賞を与えたいって言った。
けど、大規模侵攻に参加していないあたしが受けたら、メディアも不思議がるし、あたしの存在をよく知らない一部のB級やC級隊員が不平を言うだろう。
そう思って、あたしは受賞を断っていた。
「ねーねー何で名前さん受賞してないの?俺納得いかないんだけどー!!」
「仕方ねーだろ、あたしが受賞しても変なだけだ」
受賞が決まって暫くして、あたしはA級3バカに絡まれていた。
特に背後から乗っかってきた緑川が不満を言いまくっている。
とりあえず、重いから降りろ。
「まー、俺だったら受賞をおりるなんて出来ねぇなぁ」
「弾バカだからなぁ、そんなスゲー事出来ないだろ」
「何だよ槍バカ!お前は出来るのかよ!」
「俺、迅さんか名前さんに言われたら受賞やめる!」
「いや、そこで張り合われても困る」
こいつらホントにアホなんだな。そう思ってると、米屋さんが「そうそう」と何かを語り始めた。
「そういえば、名前さんが受賞しなかったから、風間さんが本部長達に抗議しに行ったらしいぜ」
「は?何でまた……ていうか風間さんが?」
「あー俺も聞いた!といっても、嵐山から目撃したって聞いただけだけど」
「風間さんズルい!俺も抗議しに行こうかなー」
「緑川ヤメろ意味分からん。あたし断ったって言っただろ」
抗議しに行こうとする緑川をどうにか止めたが、結局風間さんの意図は分からなかった。