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目の前の憂鬱

第2章 事の始まり


「まずはお風呂に。昨日はそのまま寝てしまいましたから。話はその後で」
寝癖がすごいですよ、としゆうの寝癖を直すように撫でる。
「一緒に入ります?」
「断る。メフィスト長いし」
「おや、残念。ではお風呂からでたら、私の部屋にきてください。そこでお話しましょう」
「はいはい」
しゆうがベッドを降りて、部屋から出て行くのをメフィストはベッドの上から見送った。


「……もったいぶらずに早く教えろよ。任務って、何だ」
風呂上がりの、スウェット上下の恰好でメフィストのところにやってくる。学校に、行くことは諦めたしゆうはゲームをしているメフィストの隣にクッションを置いて座り込む。
「その前にアナタも知っておかなければならないことがあります。よくお聞きなさい」
とは言いつつ、メフィストはゲームを続けている。しゆうも特にする事が無いのでメフィストのゲームを眺める。
「先日、聖騎士の藤本獅郎が死にました」
「……それはエクソシストなら誰でも知ってる話だろ」
「ええ、しかし何故亡くなったかは明らかになっていないでしょう?」
ぶす、とした表情になったしゆうはそのまま画面を見たままだ。
「……確かにそうだけど」
「藤本は、サタンに身体を奪われました。完全に支配される前に自分で命を絶ったのです」
「?!」
驚きのあまり、勢いよくメフィストの顔を見詰める。メフィストはテレビ画面を見つめたまま、続ける。
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