第1章 お留守番(ヒイロ)
戦艦に残ったあたしとヒイロは、とりあえずミーティングルームにいた。
まぁ、ヒイロは無口だから静寂になるのは分かっていたけど、気まずさは感じない。
今回の任務のメンバーの中じゃ仲が良い方だし、何よりあたしが、群れるのをあまり好みとしてないから、少人数の方が楽だ。
だが、まぁ暇なんで、何か話そうかなとか考えてると、ヒイロの方から話を振ってきた。
「ハマーン・カーン」
「ん?」
「随分仲が良いんだな」
話を振ってきたかと思えば、まぁよく分からん質問で。
とりあえず、思ってる事を返そう。
「そう見えるか?ハマーン様ふつくしいから光栄だな」
「ふつくしい……?」
「『美しい』のネット用語だよ」
「普通に話せ。分からなくなる」
そう言いながら、ヒイロは少し笑ってた。
お、レア中のレアな表情だ(多分他の奴から見たら少し穏やかな表情にしか見えない)。
ていうか、何がツボったんだ?
「まぁ……何となくハマーン様を見てると応援したくなるんだよな。多分ハマーン様は、今まで強くあらなきゃいけない立場ばかりだったから」
少しくらいは、自分に素直になれる時間を与えてやりたい、そうヒイロに言った。
まだお若いのに、ハマーン様は苦労されすぎた。
多分、自分に素直になれなくなっている。
でもジュドーは、ハマーン様が本気で手に入れたいと思えた人物だ。
ジュドーなら、ハマーン様を支える所か、引っ張っていってくれるだろう。
だから余計、プルやプルツー、エルやルーに悪いけど、ジュドーはハマーン様とくっついてほしいと思っちゃうんだよな。
「名前が人の恋路に踏み入れるのは珍しいと思うが」
「まぁな」
「それ以上に、名前はハマーンと同じものを感じる」
ん?