第3章 欲しいもの(キオ)
だが、結果今日もあたしが折れて、キオと一緒に飯を食う事になった。
くそぅっ、ジジイっ子はおねだりが上手すぎて困るぜ……。
いや、あたしが泣き寝入りに弱いだけなのか?
そう思いながら目の前のカレーにガッついていたが、視線を感じて顔を上げると、キオと目が合った。
ていうか見てたのか恥ずかしい。てか自分の食えよ!!
「キオ何見てんだよ。ちゃんと飯食え」
「え?だって、名前さん綺麗だなーと思って」
「………」
拝啓、アセム。聞こえますか?
貴方の息子が大変です。
飯をもろガッついてる奴が綺麗に見えるそうです。
今すぐジジイを倒しに行きましょう。
じゃないと、息子さんがどんどん変な方向に向かっています。
「名前さん、僕の視力は下がってないし、僕本気でそう思ってるよ?というか、父さんXラウンダーじゃないから届かないよ」
くそう、Xラウンダーめ、軽々と人のプライバシー覗き込みやがって……地味に侮辱されているアセムが可哀想だ。
しかも、奥に座っているヒイロや刹那に冷たい目でガン付けられていた。
うちの後輩が五月蝿くしすぎてスンマセン、だからそんな怖い目で見ないで下さい。