第6章 拒絶もまた
「3階の端っこの病室だ!」
意外にも同じ階にいたらしく、花京院と承太郎は急いで向かう事にする。
病室のドアには面会拒否の札が下げられていて、本当にそうだったのかと多少のショックを受けた。
「…行くぞ」
承太郎がドアに手をかけゆっくりと開けるとそこにはがベッドに横になっているところだった。
痛々しくも顔に大きな痣を作り頭には包帯が何重にも巻かれている。やはり腕も折っていたのだろう、固定されていた。足には布団が掛けられていなかったので状態を見ることができた。脛のあたりにも傷が何カ所もあり、既にふさがったと見たがまだ痕が残っている。
「…!」
近寄ってみるが彼女は寝ていたようだった。返事はなく寝息だけが室内に残る。
「どうしてこんなことができるんだろうか…ッ!」
「…落ち着け」
花京院は悔しそうに拳を握りしめた。
すると、目を覚ましたのかが声を小さく出した。
「…だれ」
「僕だ、花京院典明だよ」
「……なんで」
嫌そうに眉間に皺を寄せて睨み付けた。その視線は冷たく鋭いもので、軽蔑にも等しい鋭さを持っていた。
「心配で」
「帰って」
「おい」
「お願い、帰って」
は下唇をぎりっと噛んだ。