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贈りものを君に

第4章 傷付いた過去から



「それをどうにか切り抜ける方法は」

「知らねーな」

それができたとしても、自身『自分の世界』が害されたと思っている以上無駄な事だ。
それが日常と思い込んだ時から、もう救出する手立てなどないのかもしれない。

「だが承太郎、分からないことがある」

「なんだ」

「虐待を受けて人間不信になって嫌われるのはまだ理解できる、だが何故化け物だとか言われているのか…それがわからない」

すると承太郎は今までで一番苦しそうな顔をした。それを見て相当よくない事が起こっていたのだろうと花京院は察する。

「のスタンドが、一度暴走した時があってな」

それは中学生の時だったという。同じクラスだった承太郎はそれを目撃したのだった。他人のスタンド能力を無効化させる能力が暴走したのだ。
承太郎はその時、まだスタンドという存在に気が付いておらず何が起きているかわからなかったが、自分の体が思うように動かなかったのだという。踏み出した足が地面に付かず、浮きっぱなしだったのだ。それは他のクラスメートもそうだったようで酷く困惑したようだった。
その中では大声で泣き、理性を失っているようにも見えたのだという。
それを見て原因がだと判断した生徒たちがを化け物だとはやし立てた、それが始まりだったのだという。


「…そんな、ことが」

「あの時俺がスタンドという能力に気が付いていればと思うが…正直気が付いていてもどうにもできなかった気がするぜ」

花京院も同じことを思った。
たとえ自分がのスタンド能力を知り、把握していたとしても自分のハイエロファントグリーンが使えなければ対抗はできない。
ある意味最強の能力かもしれないと震えた。



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