第7章 夕焼け空を見上げて
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病院とはこんなにも静かなところだっただろうか…
任務で怪我をして何度か入院したことがあった、その時は暗部の先輩やアスマ、紅、カカシとか…
いつもなら誰かしらが来てくれていた…
「…とうとう独りになっちゃったか…」
そう思うと天井が段々ぼやけて見えなくなる
頬を伝った雫が枕を濡らしていた
コンコンコン
ノックの音に慌てて目元を拭ったが、それだけでは気付かれてしまう気がして、布団を深くかぶり寝たふりを決めた
「…寝てるの?」
寝たふりをする晴に問いかけるが言葉は返ってこない
「…会議おわっよ…上役はお前の自由を認めないと言った…」
幽閉
晴の頭に上層部の出した結論が浮かんだ……
正しい判断だと思った
里のためを思えば受け入れざる終えない
「…けど、お前のこれからのことは全て俺が預かることになったから……」
一瞬、何を言っているのか分からなかった
「お前のことは、俺が責任を持って守る」
駄目…
そんな重荷背負わせられない
私なんかを庇っても里のためにはならない…
「だから、何も心配しなくていい…」
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里のため…
そればかり考えて生きてきた
愛するもの守るためなら命すら…
ずっとそう思ってた
でも何でだろう……
今は、あなたのその優しさに縋っていまいたいと思ってるんだ…
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「…晴…そろそろ返事聞かせてよ」
いつの間にか目からこぼれた雫が彼の指に掬われると、まるでそれかが合図かのように次々にこぼれた
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伝えなきゃ、そう思っても
視界はぼやけて見えないし、声も震えてた
だから替わりにキスをした