第8章 晴れの日の雨
家に帰るとテーブルの上には受け取られなかった贈り物の小さな箱
晴はそっとテにとり箱を開けた
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『お帰り』
「ただいま、紅どうだった?」
『元気にしてたよ…今夕飯の支度するから…』
といって席を立った彼女の手を彼の手が引き止める、急なことに驚いて振り返れば、彼女の胸元から服で隠していたネックレスチェーンが飛び出す
「それ、受け取ってくれたのは嬉しいんだけど、出来れば晴の口から返事ききたいな」
それ、と指さされたところにはチェーン通された指輪が輝いていた
『…そっちだって何もいってない』
「俺は前から好きだって言ってたじゃない」
『…それとこれとじゃ、レベルが違うよ!』
「レベルって……」
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『……ずっと、一生、本当に一緒にいることになるんだからね…』
彼女の思いが伝わって、カカシの表情も自然と緩む
「わかってる、お前もそれを承知で受け取ってくれたんでしょ?」
『………………』
やっとだね……
どんなに望んでも届かないと思ってた
お前を大切に想う晴の気持ちは知っていたし、それ以上にはなれないって諦めてた
けど、どうしても諦められなくて
俺は、お前と晴が並んで歩く後ろを追いかけたんだ
あれから何年経っても
お前はまだ、晴の隣にいてやってる
きっとこれからも…
でも、俺も追いついたから
これからは俺も
晴の隣で一緒に歩いていくよ
「…まぁ普通はこうゆうの貰ったら言わなくても分かると思うんだけど…改めて…」
俺の奥さんにならない?
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晴れた雨の日
彼女は彼のお嫁さんになった
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一緒に歩んでいこう、ずっと隣で
fin,