第5章 晴れ間に
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「晴ー!遅いわよー」
『ごめんごめん』
「女を待たせるなんて最低ってこの間言ってなかった?」
『私も一応女なんだけど』
「ふふ、まぁそう言う事にしておくわ!よーし今日は飲むわよー!!」
『ちょ、ちょっと紅、私は明日も任務「少しくらい付き合いなさいよ!」
長期任務が終わったから、と言うことで酒好きの紅から居酒屋に誘われた晴
本当は任務もあるし断ろうかと思っていた、しかし何だかんだと押し切られる形で今に至っている
気の強い晴も彼女には適わないのだ
「そういえば、晴って浮いた話全然ないわよね、ちゃんと恋愛してるの?」
『はぁ?そんな暇ないない』
「えー、確かに忙しいだろうけど晴も女なんだら恋の一つや二つ知らないと人生損よ!」
『私はそうゆうの興味ないし、紅と違って魅力もないしさ』
「あなたは十分魅力的だと思うけど?」
『はぁ?どこが?』
「んー、全部よ!」
『はぁ??』
「あなたが気付かないだけで想ってくれてる人は近くにいるんじゃない?」
『?』
「ふふ、」
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…紅が笑ってる…
ぼんやりとした意識の中、彼女は笑っていた
あぁ、そう言えば昔こんなこともあったっけ…
あの頃はまだアスマもいて、三人でよく笑ってたな…
アスマ…
会いたいよ、またあの頃みたいに…
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「生きるんじゃなかったのか?」
…アスマ……
アスマの下へ行こうとすると
後ろから誰かが晴の手を引き留めた
晴は遠ざかるアスマの背中に手を伸ばすも、握られた手はほどけない
背中越しに笑うアスマの姿が見えなくなると同時に晴の意識は遠のいていく
「晴」
……誰……
誰かが呼んでる