第5章 晴れ間に
「…晴?」
微かだが彼女の手が動いた気がしてカカシは呼び掛ける
うっすらと開いた瞼、顔をのぞき込めばらしっかりと視線が絡んだ
『……カ…カシ…』
「気がついたか、今綱手様を…」
呼んでくる、と言って動こうとしたカカシは何かに袖を引かれ止まる、その何かを見れば彼女の手だった
『…待って…ずっと手…握ってたの…?』
「…あぁ」
『…そう…ありがとう…お陰で帰ってこれた…』
「…お前に感謝される日が来るなんてね、雷でも落ちるかなぁ」
『うるさいって』
いつものような掛け合いにカカシは幸せをかみしめていた
「あんまり騒いでると怒られちゃうから、そろそろ綱手様に伝えてくるよ」
『騒がせてるのはカカシでしょ』