第5章 晴れ間に
終戦
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「こっちも看てくれっ!」
「そっちは頼む!」
「道を空けろっ!重傷者が優先だ!!」
復興途中の里には臨時の診療施設が設けられ、医療班や医療忍者その他動ける者達も皆怪我人の治療に駆り出されていた
「晴はどこだっ!」
声を張り上げ、診療所に入ってきた綱手
「綱手様!お怪我は「私のは大丈夫だ!あいつはどうなった?!」
晴のことを聞かれた医療班員は綱手から思わず視線を逸らす
「…結界術は成功したようですが…晴様はあの後倒れられて、未だに意識が戻っておりません……」
「っ、案内しろ!」
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晴が倒れてか一月以上は経過していたが、一向に目覚める気配はなく医療班員も心配していたとこであった
診察をした綱手も表情を曇らせる
「…急激なチャクラ減少、加えて体と精神への負担が大きすぎた……」
コンコンコン
「はたけカカシです」
「…入れ」
カカシは自分の治療もそこそこに晴のことが心配で様子を見に来たのだった
「…晴の容態は?」
「…出来ることは全てやった、あとは晴次第にだ…」
この戦争が終わり自分が帰ってきたとき、出迎えてくれた彼女といつものように減らず口を叩き合う、それがカカシの理想だった
…そう…所詮は理想…
予想していた…
現実はいつも残酷なのだから
「…そうですか…側にいてやってもかまいませんか?」
点滴と酸素マスクが付けられベッドに横たわる彼女の顔は蒼白で生気が失われたようだ
握った手の微かな温もりだけが彼女が生きていることを感じさせる
「あぁ、だがお前も少しは身体を休めろ」
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伝えたいことがあるんだ
早く目を覚ましてよ