第4章 雲り空
結界班や暗部数名が守りを固める部屋で
晴は一人、術に精神を集中させていた……
火影邸を中心に里の外壁まで広範囲にわたる結界を維持するためである
『…くっ……』
流石にこれほどの規模の結界となると、それを維持する体力も精神力も半端なものではない
『最初で最後の術っ…予測はしていたがここまできついとは…』
一生の結界術、この術は発動から安定させるまでが山、少しでも気を抜けば失敗に終わってしまう
──────────────
晴のチャクラは部屋の外まで溢れていた
「…凄い量のチャクラだ…晴は大丈夫、なのか?」
「…天宮一族の結界術がここまでとは…確かに術者には負担が大きすぎる」
「やはり結界班も力をお貸しした方が良いのでは「待て!ここはもうあいつの術式内だ、踏み込めば術が乱れる」
扉に手を伸ばした班員を暗部の一人が止める
「し、しかし!この様な状態が続けばっ…」
この状態が続けば彼女の身体が保たない…
その場にいる誰もが分かっていたが、だからといって助けること止めることは出来ない…
やるべきは、彼女を信じること
「…わかっている!だが、今はあいつに任せるしかない…俺達は全力でサポートするしかないんだ」
────────────
仲間が前線で戦っているんだ
里は私が命に代えても守る