第4章 雲り空
また一層、二層
里の結界が強度を増す
どのくらい経っただろうか…
五日、六日、一週間、それ以上か…
飲まず食わずで一睡もできないまま術に力を注ぎ続ける晴の身体はボロボロ
既に限界を越えていた
『…ハァ…ハァ…あと、少しっ…』
目を閉じ、考えるのは仲間のこと
───────────────
アスマ……
大丈夫、お前が守りたかったもの絶対に守から…安心して…
「簡単には死ねねぇなぁ」
今私も同じことを思ってる
私も守るものが増えた、紅やお前らの子ども未来まで守っていきたいって…
だから…
もっともっと
お前の分まで生きてやる…
──────────────
『…最終…五の壁っ!…』
最後の印を結び終えると、術式が消え溢れ出ていたチャクラも止まる
その瞬間、事切れたように晴の身体はドサリと崩れ落ちた
「終わったのか?!医療班はすぐに晴を診ろ!」
外で待機していた者達がバタバタと部屋に入ってくる
「しっかりしてください!」
「…かなり衰弱しているっ、すぐに治療室へ!」
意識もなくぐったりしている晴の様子に医療班も顔が険しさを増す