第1章 ■1
『こ、小瀧君…』
そう呟いていた。
横「あんた知ってるん?そりゃそうか~人気者だもんな」
『え、里奈なんか知ってるん?小瀧君の事!!』
私は目を輝かせて里奈に迫った。
横「え…あんたまさか…。
まあいいや。同じ学年でモテモテの小瀧望。
で、隣に居る…ほら、笑うと笑窪できてる…
あれが重岡大毅。この二人が学年の2TOP。
噂だとファンクラブまであるらしいで?」
『へえ~…』
指をさして説明する里奈に相槌を打ちながら彼等を見ていた。
確かに二人の周りには沢山の人がいて、
そして動くたびに女の子の黄色い歓声があがる。
里奈が言っていたファンクラブって言うのもありがち本当なのかも知れない。
と、同時に私は小瀧君への気持ちが先程より冷めていた。
"私なんか無理だ"そう思わせるほどのキラキラ感と周りの雰囲気だったから。
また去年と変わらない一年になる。
そう思った