第1章 ■1
大勢の人で掲示板が埋まっていて背が小さい私は埋もれないように必至だった。
『里奈~見える~…って居ない…。』
そう横に居た里奈に問いかけたはずがいつの間にか居なくなっていた。
探そうと振り返った瞬間ドンっとぶつかってしまった。
それが身長がでかい男の子と気付くのに時間はかからなかった。
『いてて…ごめんなさ…い…』
そう顔をあげた瞬間、私の中で時が止まった気がした。
本当に時が止まったようだった。
見上げた顔は顔が整っていて、いわゆるイケメン…。
「大丈夫?怪我してへん?」
優しい声が上から響いた。
『私は大丈夫…ごめんね?』
「俺も大丈夫「「小瀧~はよ!」」…あ、じゃあ俺行くわ!」
『あっ…』
そう言って彼は行ってしまった。
その姿を目で追っていた。そして気付いた。
私の周りに居る女の子たちも彼を見ていて、黄色い歓声を上げていることを。
そして一瞬でもてるんだろうなと感じた。
小瀧、彼はそう呼ばれていた。