第1章 無垢
「あぁそうだ、君の名前はなんだい?」
「たぶん…皇…」
「たぶん?あぁ、そうか。
記憶が、ないんだったね。
昨日より前の記憶がない、というのは…
少し考えるべきところかもしれないな」
ふむ、と考え込む。
「そうだ。僕の紹介がまだだったね。
失敬。
僕は月山習。月山でも習でも呼んでくれたまえ」
「じゃあ変態で。」
「ノンノンノンノン!!ノン!!!!!」
あー、うるさい。
でも、このひと、見てるのあきないな。
とりあえず、この変態、月山習は
喰種という人間しか食べれないものらしい。
異名、グルメ。
人間のように捕食するためそう呼ばれているらしい。
「わかったから。
ねぇ、私はなんだと思う?」
「君も…″彼女″みたいだ。」