第1章 無垢
「ん…あれ、ここは……」
「目覚めたようだね。
気分はどうだい?」
なぜか、目の前に先程の変態がいた。
「私は…倒れたのか」
「ウィ!そうさ、それが、この僕が!
介抱してあげたのさ。」
ほんとに変態野郎
あきれてものが言えない
「君、食事はとれるかい?」
その言葉に目をやれば
そこにはテーブルが並んでいた。
「食事は…なんでだろ…そういえば…」
お腹、すいてない
「ふむ…君はほんとに″どっち″なんだろうねぇ?」
私はその、どっち、というものに違和感を覚えて仕方ない。
「ねぇ、その、どっち、ってどういう意味?
あなたのその眼も、さっき変わってた。」
「なにも知らないのかな?」
「記憶が…ないの。」
「ほぉ…なるほど。
なんたる偶然か…いやはや、誰かに照らされた道なのか…」
「え?なんかいった?」
「いいや、なにも。
それでは、教えてあげよう。
この世界を…」