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誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】

第15章 Student representative


卒業式まであと2日。昼休み和葉は平次と卒業式についての話しをしていた。すると…
「大丈夫?!!美咲っ!」
教室の中央部に人だかりができ友達が心配そうに美咲の名前を呼んでいた。和葉は人ゴミをよけて見ると美咲が苦しそうな表情で倒れている。
「み…美咲!!」
和葉は驚きを隠せない表情でその場に立ち尽くした。しばらくして救急隊の人が美咲をタンカに乗せ救急車へと入っていった。
「あ!あたしも!!美咲と一緒に病院行く!!」
そう言って和葉は救急車を追いかけたが先生らに止められてしまった。
「美咲…大丈夫かな…?」
和葉は不安でたまらなくなった。
「もうすぐ卒業式やのに…」
平次も不安な顔をして言った。

放課後ー in病院
「美咲!大丈夫?」
学校が終わるとすぐに和葉は美咲が運ばれた病院へ駆け込んだ。
「和葉~。うん。大丈夫。また肝臓病が酷くなったって。やからさっき緊急手術したんよ」
美咲は手術した所の傷を痛むように笑った。小さい頃から持病として肝臓病を患っていた美咲は酷くなると入院しなければならない。
「ええー!ほんならしばらく入院せなあかんの?!……卒業式どうするん?」
「うん…。そのことなんやけどな、私、卒業式出られんから代わりに和葉に答辞を読んでほしんよ。もちろん和葉の文章に変えてもらって」
俯きながら美咲は言った。
「えっ!あたし?!……嫌じゃないけどあの文章は美咲が書いたもんやろ?せっかく書いたのに…」
「ええの。和葉に読んでほしん。私のことずっと応援してくれてたし、答辞が他の人になろうと罰則があるわけやないから」
「ううん。あたし、美咲の代わりに美咲の文章をそのまま読む!」
和葉は強い口調で言った。
「え…でも…」
「美咲のあんなに感動する答辞をあたしもので変えるわけにはいかんよ」
「和葉…う…うん。分かった。私の分まで卒業式、頑張ってきてな」
「分かった!任せて!!」

卒業式前日、美咲から預かった答辞文を本番で丁寧に噛まないよう体育館で練習していた。
(あぁ。この答辞文メッチャ感動する。きっと本番で泣いてしまうわ…あたし。せやけどホンマは美咲が読めたら良かったのにな…)
そう思うと自然に涙が溢れてきた。泣き声を押し殺しその後、完全下校の時刻になるまでずっと練習していた。
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