誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第14章 暗闇の中で…
帰りの会が終わり全校一斉に下校した。外に出るとさっきよりも雨が強くなっている。
「ほんなら帰ろか」
平次は正面玄関の所でカバンから折り畳み傘を取り出した。そして和葉を傘に入れ校門を出た。
雨はおさまる気配がなく黙々と降り続ける。折り畳み傘なので2人がきっちりと雨に濡れないという保証はない。相合い傘をしながら歩いていると和葉はふと平次の方を見た。すると、あきらかに平次は和葉の方へ傘を寄せていて平次の肩は雨でずぶ濡れになっていた。
「平次。そんなあたしの方に傘寄せてくれんでええで?平次の肩、濡れてもてるやん」
そう言って和葉は平次の方へ傘を押し寄せた。
「大丈夫やて。和葉が雨に濡れて風邪ひいたら俺のせいにされるでな。おとなしゅー入っとれや」
(もぉ…また、あたしのために強がって…)
和葉は平次のそんな所が大好きだった。
ビャアアアッッーー
車が2人の横を通り過ぎ左側にいた和葉に思いっきり水が掛かった。
「うわぁ…ビショビショになってしもた。どうしよ…」
制服のスカートは色が水で濃くなる位濡れてしまった。
「こりゃ酷いな。学校戻ろか?」
「えっ?!学校?なんで?」
「学校やったら制服の着替えあるし、ここからやったら家より学校の方が近いでな」
「う~ん。それもそやな」
そうして平次と和葉は学校へと引き返した。