誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第1章 静寂な夜に…~平次の告白~
「誰かっ!早く救急車を呼んでっ!」
新一の声が響く。その声に気付いたバイキングのオーナーが電話をかけた。
「何があったんや。くわしゅー教えてくれへんか?」
平次は男性に事情を聞き始めた。
「すみませんが、その他のお客さまは各自、お部屋にお戻りください。お料理は後ほど部屋に持って行きます」
オーナーにそう言われて蘭たちは部屋へ戻った。
「新一たち大丈夫かな?」
運ばれてきた料理を和葉たちの部屋で食べながら蘭は言った。
「大丈夫て。平次らが何とかしてくれる」
何よりも2人は女性が無事なことを祈った。2人が食事する中ベットでさきに疲れて寝てしまった鋼を見て和葉は「小さい子は気楽でええなぁ」とつぶやいた。
しばらくしてさっきのオーナーが事件について話をしに来た。
「2人もの名探偵さんのおかげで男性のお客さまも女性のお客さまも無事でした。本当にありがとうございます。しかし、大変申し訳ないのですがお2人ともお客さまさと一緒に病院へ付き添ってくださったみたいで、帰ってくるのにもう少し時間がかかるとおもいます」
「大丈夫ですよ」
蘭はオーナーに一言った。
「じゃあ、私たちは先に寝よっか」
「そやね」
そう言って3人は眠りについた。しかし一人、和葉は寝付けない。ふと近くの時計を見ると深夜0時を回ろうとしていた。
(平次らまだ帰ってこんのかな…)
そう思いながら和葉は飲み物を買いに行こうと廊下へ出た。廊下はしんとしていて所々にある電気が緑色のじゅうたんを照らしている。自動販売機でお茶を買い部屋にもどる途中、和葉の後ろから何やら男の声がした。
(なんやろ?こんな夜中に騒がしいなー)
後ろを振り返ると柄の悪い男たちがタバコを吸いながら大声で話している。それに腹をたてた和葉は男たちの方を向いた。
「ちょっと!あんたら、何時やと思てるん?ちーとは静かにしいっ!」
和葉の言葉にさっきまで大声で笑っていた男の1人が顔を豹変させた。
「何やて?姉ちゃん。お前なんかの小娘にわしがそんなん言われる筋合いは無いんじゃいっっ!」
そう言いながら男は和葉の腕を掴んだ。
「ちょっと。やめい」
そう言っても男は和葉の腕を放そうとしなかった。怒った和葉は得意の回し蹴りで男を払いのけようとした。その時、もう1人の男が和葉をつかみ腕を思いっきり捻った。
「うわあっ」