誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第10章 2人の願い事
帰り道、平次は今日のことを和葉に話していた。
「京都、はよ行きたいなぁ」
「うん!ほんまに!ちっちゃい頃以来京都なんか行ってないしな」
「せっかく京都行くんやったら俺、山能寺行きたいなぁ。初恋の人に初めて会った場所やし」
その時の風景を思い出しながら平次は言った。
「その初恋の相手、あたしやったんやろ?初めてちゃうやん」
「でもあれ和葉やったってあん時、気付かんかったから」
「あたしはそれよりも山能寺で六歳ん時、あんたと山能寺で鈴交換したことの方が思い出に残ってるわ。ほら」
そう言って和葉はカバンの中から水色の鈴を取り出し平次に見せた。
「なんやそれ?どーりでいっつもチャラチャラ音してるなーと思とったら」
「はぁー?覚えてへんの?あたしと山能寺で交換したやん!あんたに緑色の鈴あげたで」
和葉は不満げな顔をした。和葉の言葉に平次ははっと思い出した。
「あ~~!!!あれ、あん時のやったんかっっ!!それならこの前、部屋の掃除した時出てきてボロボロのハゲハゲになってたから捨ててしもたわ」
「「なんやとぉぉぉ!!!ええ加減な男があぁっっ!!!」」
普段の顔を思わせない顔で和葉は言った。
「す…すまん。ほんならもっかい山能寺に買いに行こーや」
平次は苦笑いして和葉を落ち着かせた。
「はぁ…。ええけど修学旅行で山能寺の方行かへんし…」
「大丈夫や。俺にええ考えあるから。ちょい耳かしてみ」
そう言われて和葉は平次に耳を近付けた。
「修学旅行の最後の夜にな……」
「あぁー!それええな!」
2人は山能寺に行くための計画を立て始めた。