誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第8章 チョコレートのsacrifice
「すんません!服部という人がこの病院運ばれてきたと思うんですけど、どこにいますか?!」
和葉は気勢の良い声で受付に聞いた。
「服部さんなら処置をすまされてフロア一階の待合室におられますよ」
「ありがとうございます!」
そう言って和葉は待合室へと駆け込んだ。
ガラッー
「平次ぃ!」
待合室のドアを開けると両手を包帯でグルグル巻きにされた平次の姿があった。
「おぉ。和葉やんけ。来てくれたんか」
「もぉ。どないしたん?!大丈夫?」
そう言いながら和葉は平次の元へ走った。
「両手骨折やて。当分、剣道でけへんなぁ」
笑いながら平次は言った。
「笑ってる場合とちゃうで。あたし、ホンマ心配したんやから」
「ありがとうな。和葉」
そう言って平次は和葉の頭をポンと叩いた。
「おばちゃんもきてんの?」
「おん。俺が両手骨折したって電話で聞いたらオカン、五分もせんうちに病院きたわ」
「でもおばちゃんいんで?」
「今、受付してるんや」
「そうなんか」
和葉はほっと一息ついた。
「あ、そうそう、今日バレンタインなんやろ?はよチョコちょーだいな」
平次はニコニコしながら和葉にねだった。
「はいはい」
そう言うと和葉はカバンの中からキレイにラッピングされたチョコレートを取り出した。
「誰にもチョコもろてへんやろな?」
「もろてへん。もろてへん。それよりはよチョコたべてええか?」
「うん。いいよ」
「………………」
なぜか長い間2人の中で沈黙が続いた。