• テキストサイズ

誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】

第5章 すれちがい。


in服部邸
「はぁ…」
平次はケータイを握りしめ声混じりのため息をついていた。LINEのトーク画面は和葉の言葉で止まっている。昨夜、一晩中考えたがどう返せばいいのかわからず結局返事を返す事が出来なかった。
(ホンマは…ホンマは部活で疲れてただけやって言いたい。やけど今は俺なんかより柊の方が和葉は好きに決まってる…。もう今更おそいよなぁ)
今朝も昼も夕方も和葉が健人と居るのを何度も目撃して平次は絶望に打ちひしがれていた。
(和葉、俺と話してる時よりも柊とはなしてるときの方が楽しそうやし…。俺やなくて和葉が柊の方が良いって言うんなら俺は和葉のためを思って和葉の前から…消)
そんなとことを思ってはみたが悔しくなってケータイを力強く握りしめていた。
ピロンッ-
その時、平次のケータイが鳴った。
『平次。今日もLINEしてごめんな。
今日、あたしが平次の教室行ったとき平次、あたしのこと無視したんは何でなん?
やっぱ、あたし、なんか平次に対して悪いことしたんかな?
お願い。平次。平次の気持ち聞かして』
言葉一つ一つに和葉からの平次への思いが綴られていた。
『無視しな、和葉のこと諦められへんから。
和葉、柊が好きねんやろ?ごめんな…
俺ばっか好きで…。同情で付き合ってくれても嬉しいないし。
やから和葉のこと無視したんや。ホンマごめん。今までありがとう』
キーボードでそう打ってみたもののなかなか送信ボタンが押せない。悩みに悩んで結局その文章を消してしまった。その代わりに平次が送った言葉は…『別になんもない』だった。心では和葉のことがとても大好きなのに言葉で伝えることができないというもどかしさに平次は自分に腹が立って仕方なかった。
(このまんま和葉をあきらめることしかできへんのか…)
そう思い平次は唇を強く噛み締めた。

すれちがい。END
/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp