誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第6章 無心、無愛
平次と和葉は言葉を一切交わすことのないまま12月に入ってしまった。あれから1ヶ月ずっと2人は顔を合わせることができない。
「はぁ。もうすぐクリスマスやなぁ」
学校の帰り道、和葉は健人の隣で呟いた。
「ホンマやな。遠山んとこサンタくるか?
「あたしん家はいつもくんでぇ。毎年、ええ子にしてるからな」
「へぇ~。遠山は今年なにが欲しいん?」
健人がそう聞くと和葉の頭の中で一番に出てきたのは_平次だった。
(いや。平次はモノちゃうし、もぉ別れたと同然やからな……)
そう思い他の欲しいものを探した。しかし、一考に平次が頭から離れない。
「ん?どうした。遠山。欲しいもんないんか?」
一向に答えない和葉に健人は言った。
「いや…あるねんけどその…」
顔を赤くしながら和葉は健人から顔を背けた。
「その顔はモノちゃうな。……服部か?」
あまりにも図星すぎて和葉は立ち止まってしまった。
「うん……」
道の真ん中に立ち止まり小さく頷いた。
「和葉、俺、思うんやけどな」
「和葉…?」
「あ。いや。…ごめん、遠山」
「ええよ。和葉で」
「ホンマかっ!………で…思うんやけどな和葉」
健人は和葉の横に立ち真剣な表情で話し始めた。
「俺っ。。。和葉のこと好きやねん……。。やから、服部じゃなしに俺を和葉の恋人にしてくれへんか?」
「えっ……」
和葉はいきなりの健人の告白に頭の中が真っ白になった。
「ご…ごめん。いきなり…。ホンマ。今の話はなかったことに…」
「ううん。なかったことにせーへんで」
和葉はハッキリとした口調で言った。
「え?ほんならええちゅーことか?」
「考えさして」
「ホンマにええんか?考えてもらって」
「うん…」
その時、空から雪がひらひらと降ってきた。
「おぉ。雪や。和葉、手、冷たいやろ?ほら、これ持っとき」
そう言って健人は和葉にカイロを渡した。それと同然に和葉の手をぎゅっと握った。
「和葉…。返事待ってるでな。じゃあ、俺はこれで」
健人はそう一言残すと雪の中を帰っていった。健人が握った和葉の手にはまだ、握られていた感触が残っていた。