誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第4章 特別な試合
ついに決勝戦。会場は緊張に包まれ静まり返っている。そんな中で和葉は力いっぱい御守りを握りしめ優勝を願っていた。
(平次。頑張れ。絶対、優勝できるからな)
その頃、本番直前の平次も和葉から貰った御守りを握りしめ優勝を願っていた。そして本番。静かに平次と沖田はコートの上に上がり竹刀を構えた。
「よーい。はいっっ!」
鋭く構えられた竹刀が滑らかかつ匠に動いてゆく。
(やっぱし、去年より強なっとるなぁ)
竹刀を動かしながら平次は思った。
油断なんて一切せず2人は戦った。試合開始から1分が経過した時、平次はようやく沖田から一本とった。
バンッー
力強い竹刀の音と共に平次の声が響いた。
(よっしゃ。ほれみー。俺はお前に負けへんで)
少し油断していた時のこと…
「面っっ!」
沖田に平次は一本とられてしまった。
(しっ…しもた。少し油断してたら…)
そう思うも時は戻らない。平次は危機を感じながら沖田をめがけて必死に竹刀を振るもなかなか当たらなかった。それを見ていた和葉はなんともやり切れない思いになって思わず観客席を立ち大声で叫んだ。
「「平次ぃぃぃぃぃぃぃぃぃー!!!!!負けたらぶっ殺すでぇぇぇぇ!!??」」
和葉の大きな声が会場中に響きわたる。その他の観客は何事かと和葉を振り向いた。和葉の声に気付いた平次は目つきを鋭め沖田に向かって竹刀をふり翳した。
(和葉と約束したんや。絶対勝って。せやからこないなとこで負けるかぁ!)
そんな思いで沖田に竹刀を当てた。
「面っ!」
「一本、勝利あり!」
審判の声と同時に準決勝の時よりも大きな歓声が会場を包んだ。
「いぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!」
「改方学園の勝利やっ!」
剣道部の部員は抱き合って喜んだ。
「おばちゃん。な?平次、優勝するって言ったやろ?」
「ほんまやなぁ。ありがとう。和葉ちゃん」
2人は顔を見合わせて喜んだ。