誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第19章 最後の Feeling
和葉が惠とケンカをして家を飛び出してから一週間が経った。いつもより朝早く目が覚めた和葉は新聞を取りに行こうと服部邸の玄関へ出た。ポストから新聞を取り出すと一番に目に入ったのは思わず目を疑う見出しだった。
《アルトスプリンクス倒産の危機!》
(えっ!)
アルトスプリンクスとは惠が勤めているデザイン会社だ。その会社が倒産の危機という見出し。和葉はその場に立ち尽くし、頭の中を整理した。
(もしかして、あたしと息子さん結婚させようとしてるのは会社が潰れないようにするため…?やからお母さんは…結婚、急いでたんかな?)
そう思うと和葉は急いで平次の部屋へと駆け込み寝ている平次に気付かれぬよう荷物をまとめた。そして机に置き手紙を残し服部邸を後にした。
in遠山邸
「ただいま…」
重い足取りで和葉は家の中に入った。すると惠が怒りに満ちた顔でリビングから出てきた。
「あんた、また服部さんとこ行ってたんやて?!!あれほど行くな言うたのに!何でやっ!」
怒る惠をよそに和葉は床に荷物をおくと惠に一言はっきりとした口調で言った。
「あたし、息子さんと結婚する」
「え?」
惠は制止し、驚いた表情になった。
「息子さんと結婚するゆーてるやん!」
それを聞くと惠は笑みを浮かべた。
「ほんま~!ありがとーな!ほな、今日中にお見合いの連絡入れるわ」
そう言って惠はどこかへ電話をかけた。
その頃…in服部邸
「なんやこれっ!!」
平次が目を覚ますと机に置いてある置き手紙に気付いた。そこには…
服部家の皆さんへ
一週間お世話になりました。考えた末、私は社長の息子さんと結婚することにします。今までありがとうございました。
遠山和葉
と書かれてあった。
「なっ、何でやねん!和葉、あれほど結婚するの嫌がってたのに。急になんやねん」
すると静華が今日の朝刊を持って平次の部屋にやってきた。
「これのせいちゃうの?惠さんの会社が潰れそうになってるからそれを救おう思て和葉ちゃん…」
それを聞いた瞬間、平次は和葉の家へとかけだしていった。