• テキストサイズ

first kiss

第4章  迷夢


試合が終わって監督のコメントを受けると、鳳くんと宍戸先輩はクールダウンに走りに出た。


差し入れを渡すタイミングを逃してしまった。
でも、全体の試合が終わった後渡せればいいか。

勝つのは氷帝だって信じてる。このあとのシングルスもみんな勝ってほしい。







だけど、次の試合に勝ち進んだのは青学だった。

2-3で青学の勝ち、氷帝は敗退した。


あんなに頑張ってたのに。
あんなに強いのに。

並んで挨拶をする様子を見ていられなかった。
涙が止まらなかったから。
クッキーも、渡せないまま。

三年生はこれで終わりなんて、早すぎるよ。
鳳くんも宍戸先輩もあんなに努力してたのに。


並ぶ前に一瞬見えた鳳くんの目は涙できらきらしていた。


ねぇ、泣かないで、鳳くん。

精一杯努力してたの、私は知ってるよ。


私、ずっと鳳くんのこと見てたんだよ。


いつのまにか、目が追ってたのは鳳くんだった。

好きなんだ、鳳くんが。










そんな週末があろうと、月曜日は私の気持ちに関係なくやってきた。


さすが、氷帝のテニス部、と言えばいいのか、昨日の試合に関係なく今日も朝練は行われていた。

でも、三年生はいない。

指示は日吉くんがとっているみたいだ。
鳳くんも、ちゃんといる。


でも鳳くんは朝練が終わっても教室に現れなかった。


いてもたってもいられなくなって私は教室を飛び出した。

「さくら~、一時間始まるよ!?」
すれ違った友達が慌てて声をかけた。
「ちょっとサボる!」
「サボるってあんた!」

もうその声は耳に届いていない。

チャイムが鳴った。
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp