第4章 迷夢
鳳くんが風邪を引いて早退をした、あの日から私の心のなかは混乱している。
私って気が多いのかな。
私は宍戸先輩が好きなはずだ。
ずっと遠くからみていて、やっと知り合うことができて、喋って、それでドキドキしてた。
なのに、クラスに鳳くんがいないことが気になって気になって仕方がなくなってた。
鳳くんのことすごく心が頼りにしてたんだと思う。
鳳くんのいつもと違う顔を見るとドキッとするのも、気づいてる。
でも今日、鳳くんに会ったらそんなことどうでもよくなった。
隣で笑ってくれてるのが嬉しい。
いつまでもこうしてたい。
現状を壊すようなことを自分でしたくない。
「そういえば、鳳くん、数学の宿題今日までだよ。」
これは言っておかないと。
「本当?やってない…日吉に見せてもらおう。」
後半はほぼ独り言だった。
「日吉くんって、テニス部の?」
「うん。あいつ、数学得意だったと思うし。」
ゆみが『日吉くんカッコいい~!』ってはしゃいでた気がするけど、どんなひとなんだろう。
鳳くんは時間を確認すると、
「ちょっと今借りてくる!」
と言って走っていった。
さくらも時計をみると、授業が始まるまで1分くらいしかない。
それで行こうと思うあたり、さすが運動部…なのかな。
実際、授業が始まる前に鳳くんは教室にちゃんと来ていた。
授業中に写してしまうつもりみたいだ。
ちょっと意外だった。