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first kiss

第4章  迷夢


月曜日になってようやく俺は学校に行けるようになった。

土日にはほぼ治っていたが、部活には行かなかった。
もしかしたら、レギュラーから落とされてるかもしれない。


でもあの日あのまま部活に行ってもたぶん途中でぶっ倒れて迷惑をかけていただろうし、しょうがない。

朝練に参加したが、跡部部長に見学を命じられた。

もう治ったのに、早く練習したいのにという思いもあった。

見学をしてると、レギュラーの皆、準レギュラーの日吉も含めて気合いが違うのがわかった。

約一週間の差は大きいかもしれない。
取り戻さないといけない。

朝練が終わると跡部部長が声をかけてきた。
「焦るんじゃねぇぞ。お前らはダブルスだ。」

この人には何でもお見通しなんだろうか。
それもインサイトなんだろうか。

「はい。」
長太郎が返事をすると跡部は満足そうに笑った。
「行くぞ樺地。」
「ウス」

学年違うのにいっしょに行くのだろうか。


長太郎も荷物を持って教室に向かった。
自然とその足取りは速くなった。

雪田さんの顔が見たい。
ちゃんとこの前のお礼もしたい。

願いが通じたのか、教室につく前に昇降口で会った。

「あっ!鳳くん!風邪なおったんだね!よかった!」
先に雪田さんが気がついた。

「うん。この前は本当にありがとう。」
「大丈夫だよ。それより、大会に間に合ってよかった。」
「ありがとう。」

二人で教室に向かって歩き出した。

雪田さんは俺が休んでいた間のことをいろいろ話してくれた。

久しぶりに見るその横顔が眩しかった。

俺が黙って話を聞いていると、雪田さんも俺をみつめて黙った。

「な、なに?」
慌てて目をそらした。

雪田さんの顔が笑顔に変わった。
「久しぶりだから、なんか嬉しくて。」

俺も笑顔になる。
「俺も、そう思ってた。」

気づいてほしい。雪田さんといるときが、一番笑顔が多いことに。

雪田さんもそうだったらいいのに。
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