第3章 逆夢
宍戸先輩に『雪田だって、ただのクラスメートなんだろ?』と言われたとき、
"ただのクラスメート"、確かにそうだけど、寂しい気がした。
ただのクラスメート、私はそれ以上を望んでいるのかな。
宍戸先輩が好きなのに?
『長太郎はお前みたいなやつがいて幸せ者だと思うぜ。』
と言われたのは、嬉しかった。
鳳くんに私は何かしてあげられてるって気がして。
でも、宍戸先輩はどういった意味で言ったんだろう。きっと深い意味はないだろうけど。
宍戸先輩に言われたから気になるだけなのかもしれない。
二年生と三年生は階が違うから、階段のところで宍戸先輩と別れた。
昼休みもあと少し、まだお弁当を食べてないから慌てて教室に戻った。
鳳くんの席が目にはいる。
教室に入るとき鳳くんの席を見るのが癖になってるのかもしれない。
鳳くん、大丈夫かな…
うなされてる様子ではなかったけど…
次の日、鳳くんは欠席だった。
昨日あれだけ辛そうだったから、当たり前だけど。
授業中も空いているその席にチラチラと視線がいった。
いつもはこうしてるとときどき目が合ったっけ。
そうするといつもお互いまわりにバレないくらいに笑った。
それで授業のあと、さっき目合ったねってどちらからともなく話した。
私にとってこんなに仲良くなった男の子は初めてだった。
いつも優しいし、何でも笑ってくれるから、男子と話すのが得意でない私も話せた。
でも今日は思い浮かぶのは昨日の苦しそうな顔。
あんなに頑張ってたから、大会には間に合ってほしい。
結局、その週は鳳くんは学校に来なかった。