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first kiss

第3章 逆夢


保健室に入ると、フラフラな長太郎をみて先生はすぐベッドに横になるように言った。そして体温計を渡した。

体温を測っている間俺たちは座って待っていた。

ピピピピ…

体温計の電子音が鳴り、先生が長太郎から受け取って読み上げた。
「38.4度。よくここまで耐えたわね。」

そして俺たちの方を振り向いた。

「ご家族に連絡して迎えに来てもらうから、悪いけど荷物持ってきてもらえる?」
と頼まれ、俺と雪田はまた教室に戻った。


「やっぱり、朝練のときから具合悪そうだったんですか?」
保健室に荷物を持っていく途中、不安そうな顔で雪田は俺に聞く。

「ああ、汗もすごいかいてたし、フラフラしてたしな。雪田も気づいたのか?」
「はい、一応…。やっぱりもっとはやく保健室に行かせればよかったですね。」
「何もお前のせいじゃないだろ。」
俺は思わず雪田の頭をポンと叩いた。

雪田も長太郎に負けずお人好しというか優しすぎというか。

「宍戸先輩は後輩思いなんですね。」
「あぁ?」
「だって朝練で具合悪そうだったからって様子を見に来るなんて。」

雪田は笑顔で俺を見上げる。
慌てて目をそらした。

「だぁ、別に、あたりまえだろ!部活の先輩なんだからな!」
いきなりなんだ、照れるだろ!

「だって他の先輩は来ないですよ?」
「それは、その、ダブルスだし、な!」
雪田は小さく笑った。

絶対いま顔赤い!激ダサじゃねえか!

「雪田だって、ただのクラスメートなんだろ?」
「…そうですね。」

なんだ今の間は。

「長太郎はお前みたいなやつがいて幸せ者だと思うぜ。」

雪田はなにも言わず俺を見た。

何かまずいこと言ったか?

そのまま保健室について、長太郎の荷物を預けた。

教室に戻る前に、ベッドの横にいき、長太郎に声をかけた。

「はやく治せよ。」
「よく寝て休んでね。」

ぐっすり寝てるのか、長太郎からは返事がなかった。

雪田と顔を見合わせて小さく笑った。
雪田と話してると、自然に俺も笑顔になる。


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