• テキストサイズ

first kiss

第3章 逆夢


朝練を終えて教室に来たときから、鳳くんは具合が悪そうだった。

昨日まではただ寝不足で眠そうって、だけだった。

でも今日は顔色が悪いし、足取りに力がない。

やっとのことで席にたどり着くと、机に突っ伏してそのまま眠ってしまったようだった。

やっぱり、たくさん練習してるんだろう。
二年生の鳳くんには、負けたら先輩たちが引退というプレッシャーがあるだろうし…


大会前だからちょっと具合悪いくらいでは部活を休めないのかもしれないけど…

一時間目が終わって、鳳くんの席に向かった。

しゃがんで、肩を軽く叩いた。

「鳳くん、大丈夫?」
「…う…ん。」
そう言いながらゆっくりと起きあがった。

「具合悪いの?保健室行った方が…」
「大丈夫、寝不足なだけだから。」
長太郎はさくらの言葉を遮った。


「でも顔色悪いよ?」
「大丈夫だって。」
珍しく強い口調で言うが、表情は苦しそうだった。

その口調にさくらは一瞬怯んだ。


「ごめん。でも本当に大丈夫だから。」
長太郎はいつもの優しい声でそう言って、
無理矢理笑顔をつくった。

「鳳くんがそう言うなら…」

さくらは時間割りを確認した。
とりあえずお昼まで教室移動や体育は無い。

「昼休みになっても具合悪かったら、一瞬に保健室行こう?」
さくらは心配そうに長太郎を見つめた。

そんなさくらに長太郎は目を細めて微笑んだ。
「ありがとう。」

鳳くんの弱々しい笑顔にどきっとする自分がいた。

何考えてるのよ私!

さくらは立ち上がり自分の席に戻った。


最近変だよ、宍戸先輩のこと好きなのにときどき鳳くんにどきっとする。


きっと、いつもと違うからだ、それだけだ。

/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp