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first kiss

第3章 逆夢


「雪田、食欲ねぇのか?」
「いえ!そんなことないです!」

さくらは元気よくプチトマトを食べた。
そしてむせた。

宍戸はふっと笑った。
「激ダサだな。」

さくらもつられて笑って、緊張も解けた。

「鳳くんって、いつもあんなに面倒見がいいんですか?」
「あぁ、長太郎はいつもあんな感じだな。」
「本当に優しいですよね。」
「雪田は、その…長太郎と付き合ってるのか?」

宍戸は少しためらいがちに聞いた。

「え?」

今度はご飯でむせた。

「長太郎が女子と仲良くしてるの初めてなんだよ。」
「そんなんじゃないです!」
お茶でお米を流し込んで涙目になりながら否定した。
「そんなに全力で否定したら長太郎が悲しむぞ。」
「私と付き合ってるなんて思われたほうが鳳くんかわいそうですよ!」
「そうか?」
「はい!」

これはクラスの友達にも後で言っておかなきゃ。

「俺は雪田が長太郎のこと好きなんだと思ったけど?」

『違いますよっ!』と言おうと思ったのに、その言葉は喉から出る前に止まった。

鳳くんのこと、好き?
好きだよ?

それってどういう意味でなんだろう。


「な、なんでですか?」
「窓から時々テニスコート眺めてるのって雪田だよな?」
「バレてましたか…」
「結構前から気づいてたぜ。」

それって…結構前から、宍戸先輩は私の存在に気がついてたってことだよね??

さくらは体温が少し上昇した気がした。

「てっきり長太郎を見てるんだと…じゃあ何見てたんだ?」
「そ、それは…えっと」

答えに迷った。『宍戸先輩です!』なんて告白紛いなこと言えないし、他の誰かを見てたと思われたくはないし。


「テニス見てるの好きなんでしょ?」
頭上から声がして、見上げると鳳くんが帰ってきていた。

「そうなんです。テニスに興味があって。」
ちょっと無理がある気もするけど、鳳くんありがとう!

「お前、テニスに興味あるのか!」
予想外に宍戸の反応は良かった。

「はい。」
「それならテニスコートまで来て見ればいいだろ。」
「俺も来たらって言ってるんです。」

鳳くんは小さく『いただきます』と言ってお弁当を食べ始めた。

「迷惑じゃないですか?」
「跡部目当ての奴らより全然いいぜ!」

実は私も宍戸先輩目当てなんですけど…

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