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糸車 2

第4章 犠牲


結局、彼女はその続きをいうことはなかった。

ただじっと桜を見つめていた。

それからだった。
僕がやたら彼女を気にするようになったのは。
罪滅ぼし、とでも言うのだろうか。

今日もあの廊下にいるかもしれない、そう思い、無駄に自室と廊下を往復した。

自分でも分からなかった。
最初は、慶次くんへの恨みの反動でこんなことをしているのだと思った。
慶次くんが憎いからこそ、彼女が気になってしまうのだと。

しかし。
桜が葉桜へ、そして完全な青々しい緑となった時にため息をついた僕がいて、ようやく気づいたのだ。

僕が気にしてるのは、彼女自身なのだと。
彼女を純粋に気にしていると。
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