第4章 犠牲
畳に倒れ込む。
ああ、頭が痛い。体がだるい。
寝てしまおうか。
最近、こうやって嫌なことがあると寝てしまうことが多い。
完全なる怠けだろう。
でも、もう現実を見たくない。
彼女がここにいてくれればいいのに。
今何時くらいだろうか。
今寝たら、おそらく起きるのは夜。
彼女が夕餉を運んでくる時か。
襖を開ける度に僕が寝ていては、彼女も呆れるだろう。
でも、いい。
彼女に優しく起こしてもらいたい。
それまでは、すべてのことに目をつむりたい。
…目を閉じる。
やたら静寂を意識する。
その中で聞こえてくる僕の心臓が動く音。
その音の回数なんかを数えているうち、僕は眠った。