第2章 学生の嵐
「和、遅いよ。ほら、早く食おう」
俺がやっとの思いで階段を駆け上がったのに相葉さんはもうすでにカレーパンの袋を開けている。
俺は黙って相葉さんの横に座り、弁当の蓋を開けた。二人はしばらく沈黙に包まれていた。時々陽の光を浴びて眠くなった相葉さんが欠伸をするだけ。
「っ、ああ…ん、ちょっ、ああ」
すると何処からともなく聞こえてくる女の艶めかしい喘ぎ声。俺は驚いて最後に食べようと残しておいたハンバーグ一口分をポロリと落としてしまった。
「和、落ちたよ」
「え、あ、うん…。相葉さん聞こえてる?」
「んー、うん。聞こえてる。昼間からお盛んだね」
相葉さんは俺ほど動揺しておらず涼しい顔で俺に言葉を返してきた。
「そう、だね…」
言葉を詰まらせながらもそう返すと相葉さんは俺の下半身にちらりと目をやり適度に開けていた距離を詰め耳元でこう言った。
「和、溜まってんの?」
「な!馬鹿なこと言うなよ!」
俺は顔を真っ赤して反抗したけど相葉さんはそれに取り合う様子もなくあろうことか俺自身を強く握ってきた。