第2章 学生の嵐
「よかったー、買えた」
そう言って自分の手の中に収まっているカレーパンを愛おしそうに見つめる相葉さん。俺の学校では一番人気のカレーパン。
「毎日それでよく飽きないよね」
「んー?だってこれうめえもん。そういう和もまたハンバーグ弁当じゃん」
俺の手元をみて笑う相葉さんに俺は少し胸が跳ねた。
…あー、やっぱり。やっぱり。好きなのかな。
「かーず、和。おい、和」
そんなことをぼんやり考えていたから相葉さんが俺のことを呼んでいるのに気づかなかった。
「え、あ、はい」
「何、ぼーっとしてんの。今日天気いいから外で食おうよ」
俺の返事も聞かずに屋上への階段を駆け上がって行く相葉さん。俺は慌ててその背中を追いかけた。