第1章 シェアハウス
見ていたテレビが終わりを迎える頃、Jがリビングに姿を現した。
「あ、J。どこいってたの?」
俺は心配したんだよ、と眉を下げ困った顔をしたけど、Jは怖い顔をして俺を見つめていた。
「J…?」
なにも答えようとしないJ。俺はますます困った顔になってずっとソファーの横で仁王立ちしているJに近づいて服の裾を引っ張った。
「和、お前」
俺が服の裾を引っ張ったと同時にJが口を開いた。その声は少し震えていて続きを聞こうとした時にはなぜか俺は柔らかいソファーの上に突き飛ばされていた。
「な、なに」
シェアハウスで生活を始めてからこんなことになったのは初めてで、俺も動揺を隠せなかった。
「っ、うっせ」
そう荒々しく吐き捨てたJは次の瞬間、突き飛ばされた格好のままの俺の上に馬乗りになっていた。俺を見つめる目は限りなくギラついていて、例えるなら獲物を狙う獣のようだった。