第1章 シェアハウス
何度も何度も俺に手を合わせて謝る雅紀。
謝られてもなあ、と苦笑いを浮かべつつ大丈夫という意味を込めて髪を撫でてやる。
「誕生日、だよ。そうだよ、もう本当俺なにやってんだろうね」
今にも泣き出してしまいそうな雅紀。前にもこんなことあったなあ、なんて。
「いいんだよ、ほら。眠いなら寝て?」
俺は優しく諭すようにそう言って雅紀の手を引き寝室へ入った。
「しょーちゃん」
俺の誘導により布団に入った雅紀が消え入りそうな声で俺を呼んだので俺は「どうした?」と聞き返した。
「プレゼント、俺でいい?…なら、ギリギリ当日に渡せるから」
思わず口元が緩んだ。こんな可愛いことを言われるなんて予想外だったはずなのにその言葉一つで既に盛りだす俺のモノ。
「勿論、ありがたく受け取る」