第2章 膝かっくんと出会って教室直行→
4月。桜がキレイに散る春の日。
や、皆そんなこと言うけども、地味に儚いから。雨なんか降ってみろ。桜のどこに青春があんだよ、スポコン馬鹿共。
そんなひねくれたことを、年中無休で心の中で呟くjkの中のjk(って何)、織戸音 祐依(おとね ゆい)。
今年から高校生のLI〇Eとかツ〇ッターでどこにでもネットにいそうな女子高生。
ざわつく人の群がりを避け、スタスタと校舎へと入った。
「とりあえず、クラスどこだぁ~?」
確か私のクラスは1の4、だっけか。
・・・・なんか、「私のクラス」とか言うと支配者みてーじゃんか、うわー。我ながら中二病は引く。せめて言うなら担任だったわ。
「え~っと、中央階段上って左手だっけか~」
淡々と上る私の背後から突然声をかけられる。
「ゆぅ~~~いぃ~~~~~ちゃんっっ!!」
「うっぶ・・」
っと、危ない朝のご飯が逆流しちまうところだったぜ!!
今時、「膝かっくん習得する高校生とかいんのかよ」とか思ってたけどホントにいたわ。されたなう。
とりあえず声の方を振り向いた。
「痛いなああ・・・」
「いやぁ~、はは。随分可愛げがないのだよ。祐依ちゃんは見た目はアイドルにも負けぬ顔なのにねぇ~」
「うっさい。余計な世話」
見た目ねぇ。正直見た目気にしたことないのだがな。
正直なところ、性別は男でも女でもよかった。今の私の性格だと、男が似合うのになぁ。きっと神様が性別入れ違えたんじゃないの?
ははは、そーだそーだ。
「ところで、祐依ちゃんは教室どこなのだ?我、小崎 玲奈(こさき れいな)は、1の4だぞ!!」
「何その将軍みたいな口調とか中二病もせいぜい中二までにしろよ」
深いため息がこもる。
その後はというと、玲奈を無視ってささっと教室へ向かう。
「お、ここが・・・・1の4か・・・」
自然と緊張してきた。
ここがこれから一年世話になるクラスねぇ・・。あまり目立ちたくはないが。
既に教室の扉は開いていて、ほとんどが集まっていた。
何のためらいもなく入る。心臓破けそうなやつは扉の前で深呼吸した方がいいな、これ。や、なんとなく。
「え~っと、6番、6番・・・・・お、あった」
すぐさま自分の席を見つけ、光の速さみたいにすぐさま寝る。というか寝たふりに近い睡眠の浅さ。
数分後、校舎内にチャイムが響き渡った。