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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第4章 夢かうつつか?


私は息をのんだ。

キリリとした横顔。

手元の紙を貫く真っ直ぐな瞳。

――けれどどこか、物憂げな表情。

私はその光景に目を奪われていた。

その顔が、ふとこちらに向く。

「あ……公子さん」

菊の瞳が驚きに見ひらき、ペンを握る手がとまった。

「すっ、すみません! お邪魔でしたか?」

私は慌ててぺこぺこ頭をさげる。

「いえいえ、全くそんなことは」

「私を気にせずどうか続けて下さい、それでは――」

「あっ待って下さい、ちょうどお茶でも淹れようとしていまして……いかがですか?」

「いやっそんな気を遣わせては悪いです!」

「いえ遠慮なさらず――」

流石は日本人同士、とも言うべきか。

アルフレッドがこの場に居合わせたら「君達面倒くさいぞ!」と言うに違いない。

このままでは、互いに道を譲ろうとして、左右にフェイントをかけるようにステップし続ける状態と同じだ。

びくびくしながら、私はお言葉に甘えることにした。
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