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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第4章 夢かうつつか?


頭を抱えたい思いでいると、視界を時計がよこぎり――寝ぼけ眼が、一気に覚める。

「じっ11時ぃ!? ヤバい私はどのくらい寝てたんだっ!? 宿題予習やってないし明日学校だよっ!!」

学校、勉強、そう現実的に喚いてしまう自分が、なんだか悲しい。

落ち着こうと深呼吸を三回。

その間に、自分の下着のことなども思い出し、窓から飛び出して向かいの川に飛び込みたくなった。

ようやく平静を取り戻した私は、音をたてないよう部屋を出た。

廊下に踏み入り、前後左右をキョロキョロと見回す。

誰もいないことを確認すると、リビングと思しき場所へと足を向けた。

「……」

微かに響く床の軋む音。自分の足音。衣擦れの音。息遣い。

それ以外、これといって聞こえるものがなかった。

……皆寝ちゃったのかな?

そんな疑問が頭をもたげてきたとき、ようやく違う音が聞こえてきた。

バサッと紙をめくる音。

それからカリカリという硬質な音。なにかを書いているようだ。

それと、寝息だろうか?

リビングらしき部屋の扉は開いていた。

意を決し、壁からそっと顔を出す。

そこには、書き物をしている菊と、テーブルに突っ伏して寝息の主となっている耀がいた。
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