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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第46章 “計画された犠牲”


そのとき。

一瞬、世界が音をなくした。

目を焼くような、真っ白な光が視界を埋め尽くす。

その白を、朱色の突風が弾けるように食い破った。

決して熱くはない、あたたかで、優しい火のような風。

それが靄を吹き飛ばして、





「間に合ったある……!」





声が、現れた。

その人物は、見間違えるはずもなく、

「あ、にき……?」

ヨンスが呆然と見つめる先で、“王耀”が、ふっとやわらかく微笑した。

トン、とわずかな音を立てて地面に降り立つと、耀はそのまま、なんでもないように操作盤へと歩きだした。

彼が操作盤にふれると、突然パアアッと世界が晴れ上がる。

さっきまでの大嵐が嘘のように、突き抜けるような美しい青空が広がっていく。

魔法のように、世界が、快晴に書き換えられていく。

「パスワードを認証」

そんな機械音声も、よく聞こえなかった。



操作盤のすぐそばに倒れていた、さっきまで靄だった“香くん”が、ゆっくりと体を起こす。

長い夢から覚めたように、ぱちぱちと目をしばたいている。

瞳からは濁りが消え、いつものように澄んでいた。

「まったく、お前らは本当にムチャばっかりあるね」

他愛ない小言を言うような口ぶりで、耀は香くんに肩を貸した。

抱き起こされる香くんは、なにがなんだかわかっていない顔だ。

「けど、よくやったある!」

ぱっと明かりを灯すような笑みは、突き抜けるような蒼天によく映えていて。

どこまでも優しくて、安心させるその笑顔に、頭のどこかで激しいサイレンが鳴り始めた。

どうしてここにいるの、とか、なぜパスワードを知っているの、とか。



――なんで、”透けてるの”、とか。

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