第5章 おとうとびお 嫉妬
あの子は、飛雄の彼女なんだろうか。
…それとも、好きな子?
モヤモヤそんな事を考えてると、飛雄が帰ってくる音がした。
「…ただいま。」
「おかえり。…あ、飛雄コレ。」
紙袋を渡すと、飛雄は何も言わず中を開けた。
「かわいー女の子が持って来てくれたよ?
あの子…飛雄の彼女?それとも好きな子?」
「あぁ?んなわけねーだろーが。ただの…クラスメイトだよ!」
「えー、それにしては顔がニヤついてるけど!?」
「…!」
私の指摘に飛雄はびっくりしたようにこっちを見た。
「…ともかく、彼女ができたりしたらキチンと報告しなよね。」
「…なんで。」
「なんでって、挨拶しにきなさいよ、ってこと。」
そういうと飛雄がこっちに近づいてくる。
…怒った顔をして。
「な、なに?」
…いわゆる、壁ドン?
いや、弟にされても嬉しくないんだけど。
「…じゃ、姉ちゃんに好きな奴できたら…
教えてくれんの?」
「え!…やめてよ、ちょっと。
ほ、報告するから!」
やっと飛雄は壁から解放してくれる。
なに、それ。