第5章 おとうとびお 嫉妬
その言葉に満足したのか、
飛雄は何もなかったのかのように
部屋に行こうとする。
「…飛雄。」
思わずひきとめて、怪訝な顔をされる。
「あんた、姉ちゃんのこと嫌い?」
…沈黙。
やっぱ、言わなきゃ良かった…
「……だよっ!」
「え?」
「嫌いな訳ねぇだろボゲェ!お前こそなんだよ本当!
期限悪くして…。
嫌われたのかと思ったじゃねえか!」
「ぷはっ…。飛雄、なにそれ、面白い」
思わず吹き出してしまって、睨まれる。
「私ね、飛雄がかわいー飛雄じゃなくなるんじゃないかなーって思って嫉妬してた」
「え。」
「でもね、今は違う。
私はどんな時でも飛雄を応援する」
…また沈黙。
でも、それは飛雄が照れてるからって分かってる。
「…そーいうこと言わないでください。」
「えー、はい。」
ほめられたり、好きって言われたりすると
すぐ真っ赤になるくせ。
知ってるのは私だけじゃない?