第5章 あなたの中の私たち
「分隊長…?」
『ハハ…情けない…。
ムカつくなぁ…あの男。
本当に…ムカつく…。』
香りも…味も…
全く同じものだ。
リヴァイが自分でブレンドして選んでいた紅茶と。
全く同じものだ。
『……ちくしょう…会いたいよ。
…モブリット…会いたいよ。』
この一ヶ月以上もの間…
私は書類を書くこと…目を通すこと
巨人の実験や研究に没頭した。
少しの間も、考える暇などないくらいに。
てなければ…思い出してしまうから。
ハロルドを…リヴァイを。
あのハロルドにされた優しいキスを。
『……あぁっ…くそっ…』
ただ机にうずくまり泣き崩れる私に
何も言わず…側にいてくれるモブリット。
そして、外には部屋の扉の前で…
立ち尽くすジャンがそこにはいた。