第5章 あなたの中の私たち
「すまないが…また出掛けの用が出来た。
今日は帰ってもらえるか。」と告げた。
2人は少し黙った後、頭を下げ
ハロルドの家を出る。
もう一度玄関で、ハロルドに頭を下げたところで
ハロルドに呼び止められた。
「これを…ハンジに。」
半ば強引に…リタに見つからないようにとでも言うようにハロルドは、茶色い紙袋をジャンに押し付けた。
「これは…?」
「以前、ハンジに頼まれたものだ。
…渡してくれ。」
そう言うと、家の中へと入っていった。
帰り道、二人は何を話していいのか解らず
しばらくは沈黙が続いていた。
「……なぁ。ジャン、あれ兵長だろ?」
「…わかんねぇよ。俺にだって。」
「あんなのがいるんじゃ…ハンジさん辛いな。
兵長の事、忘れたくても無理なの解る。
…ジャン、お前…ハンジさん気持ち伝えたんだろ?」
「あぁ。」
そのまま二人はまた、黙った。
今はただ…この紙袋を早くハンジに手渡す事を優先したかった。