第5章 あなたの中の私たち
「…もう…彼女たちとは会わないでください。」
「…あいつらは客だろう。」
「もう…来ないでと伝えました。
ハロルド!あなたの体調が悪いのは
ハンジさんたちに出会ってからでしょ!?」
「………リタ。それは俺がリヴァイだからじゃないのか?」
「っ!違います!あなたはっ…ハロルドなのっ…」
「心配しなくても…何も思い出したりしていない。
俺にはここしか行く場所もない。」
リタが泣きながら俺の胸へとうずくまってくる。
その肩をそっと抱き、髪を撫でた。
「今夜…抱いてください。」
わずかに俺の手が震えた。
頭痛が酷いことを理由に避けていたのも事実だった。
「あぁ。」
そう言って額にそっとキスをした。
「…あなたはハンジさんにもそうやって…
していたのですね…」
「…意味が解らない事を言うな。」
「……そうね…ごめんなさい」
いつものように戻れると思っていた。
この頭痛も…きっと治ると思っていた。
早く思い出すことが出来れば
自分が何者なのか…ハロルドなのかリヴァイなのか明確になる。
そうすれば…苦しいことは何もないと…そう思っていた。