第5章 あなたの中の私たち
「ただいま。」
店に着き、玄関を開けると
そこにはリタが立っていた。
「どこに…行ってたの?」
「急用を思い出した。」
何も言わずにリタの横を通り過ぎようとすると、リタから腕を掴まれた。
「嘘!また…兵団に行ったのね…!」
「…あぁ。頼まれ事だ。」
「ハンジさんね!」
「…………」
「あなたは兵士長なんがじゃないわ。
あなたは私の夫…ハロルドなのよ。」
…本当は解っていた。
俺も馬鹿じゃない。
目が覚め、リタの夫と言われ戸惑いがなかったわけじゃない。
けれど子供がいて、暖かいこの家は俺にとっては居心地が良かった。
そのうち、リタにもリッツにも愛情が湧いてきたのは嘘なんかじゃない。
ただ…リッツが生まれた時の写真に俺はいない。
俺の姿は本当に最近の事だけだ。
見せて欲しいと頼んでも…ないの一点張り。
そして、もう一つ…
俺の体にある身体中の跡。
特に気にすることもなかったが…
それを一度…リタに聞いたこともある。
リタは笑って生まれつきだと言ってなかった?と言った。
生まれつきにしては皮膚は硬化し擦り切れている。
何かベルトのようなもので…縛られたような…。
そして、最近のリタの調査兵団への敵対心。
気にしないようにしていたが…
リヴァイなのだと言われると…
何となく辻褄が合う。